全層IHV多層プリント基板

ビルドアッププリント基板は配線の自由度と配線密度を飛躍的に向上させたプリント基板です。その秘密はビアホールにあります。ビルドアッププリント基板はビアホールを任意の位置に形成することができます。

ビルドアップ層1層の厚さが非常に薄いため(数10μm程度)、ビアの径も従来のメカニカルドリルを用いて貫通したビアホールに比べて非常に小さく形成できます。従来のものだと300μmφ程度のものが、レーザなどによって形成したビアホールは最大でも150μmφ、最近ではより小さく50μmφ程度のものも形成できるようになっています。このようなビアホールのことをマイクロビアと呼びます。

ビルドアップ基板とは?
絶縁層、導体層を1層ずつ形成し、積み上げて(ビルドアップ)多層の配線層を形成していく工法でつくられた高密度・多層構造のプリント基板(PCB)です。ビルドアップ層には1層ごとにレーザなどでブラインドビアホールを形成し、銅めっき、あるいは導電性ペーストを充填して層間を接続します。

ビルドアップ基板普及の背景

電子機器の発展により、プリント基板(PCB)は多層構造が求められるようになってきました。1980年年代に入ると、コンピュータの高性能化が進み、プリント基板も高密度・多層化していきました。この頃から多層構造のプリント配線板が使われ始めたのです。電子機器の小型化・軽量化・高速化・多機能化が求められる中、当然の流れと言えるでしょう。

ビルドアップ基板と材料について

ビルドアップ基板とは、コアとなるプリント基板の上に、電気を通さない絶縁層と電気を通す導体層を交互に積み上げていき、層間の電気的接続のために穴を開け導通処理を行ったものです。このようにビルドアップ法とは、高密度・多層プリント基板を製造することを目的として開発されたものです。

ビルドアップ基板の積層構造を実現するためにはどのような材料が使われているのでしょうか?例えば絶縁層材料としてはエポキシ樹脂が多く用いられています。その他、使用目的によっては、ポリイミドやBT樹脂なども用いられています。ビルドアップ基板のコア基板は従来の多層用銅張積層板を用いた2〜6層の多層プリント基板を用いています

ビルドアップ基板とは?

携帯電話やデジタルカメラなどは、プリント基板を実装するにあたり高密度、薄型化が要求されています。配線密度の高い多層基板をつくるための、一層ずつ積層を行い、その都度微細な穴を開け、配線形成を繰り返していくビルドアップ工法が用いられています。ビルドアップ工法によって作られたプリント基板をビルドアップ基板(ビルドアッププリント基板)と呼んでいます。

wikiでは、

ビルドアップ工法(ビルドアップこうほう)は、一層毎に積層、穴あけ加工、配線形成などを繰り返すことによって多層構造のプリント基板を作製する方法。ビルドアップ工法を利用して作製された基板はビルドアップ基板と呼ばれる。

となっています。

一般的なビルドアップ基板はの絶縁材料としては、エポキシ樹脂やポリイミドなどが用いられます。また、配線の材質には銅が用いられます。

ビルドアップ基板の製造工程

ビルドアップ基盤を製造するためのビルドアップ工法には、以下の行程が含まれます。

  • 絶縁体層形成:主に2つの方法によって行われます。ひとつは基板上で樹脂を被覆固化させて絶縁体層を形成する方法。ひとつは銅箔付き絶縁体シート(RCC:Resin Coated Copper Foil)を重ね合わせる方法です。
  • ビア加工:ビアと呼ばれる穴を開ける行程です。基板を構成する1枚の絶縁体層にレーザーなどを用いて開けます。レーザービアと呼ばれるレーザ加工によって穴を開ける方法や、フォトビアと呼ばれるフォトリソグラフィで露光、現像して形成する方法があります。
  • デスミア:ビア加工によって発生した樹脂の残渣(スミア)を除去する工程です。過マンガン酸などの薬品を仕様師、スミアを溶解除去していきます。このスミアがビアの底部に残っていると、導通不良の原因となってしまいます。特にレーザー加工ではスミアが発生しますので重要な作業です。
  • ビアめっき:絶縁体シートに開けられた穴に導体を形成して配線層間を接続する工程です。無電解めっきや電解めっきが一般的に用いられるます。フィルドビアと呼ばれるビアの中をめっきで全て埋めてしまうものと、ビアの輪郭部分のみをめっきするものとがあります。
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